WisteriaRice
女性向け同人描きの徒然。
直江兼続観察日記~髭剃り編~
前髪下ろしてる兼続、そーいえば描いたことないわ→じゃあ下ろすか→ついでに無精髭とか萌える→じゃあ剃らすか。
の流れで兼助現パロ。
伴さんから、また絵に短編を付けてもらいましたぁん(●^o^●)
ありがとう、ありがとう。そして、ありがとう!!
お好きな方は続きクリック。

「おはようございます…」
洗面台で歯を磨いていると、背後から声が掛けられた。顔をあげて鏡を見れば、額におりた髪の毛を煩わしげに掻き上げながら欠伸をする直江殿が映っていた。まばらに短く生えた髭やボタンの止まっていないシャツ、眠たげに細い目など無防備さの塊のようなその姿に、俺は朝から愛しさが募り、暖かな気持ちになる。
「おはようございます」
鏡に映る直江殿ではなく、しっかりと後ろを振り向いて挨拶を返すと、俺は一歩端に避ける。直江殿が小さく頭を下げて、洗面台の真正面に立ち、剃刀と髭剃り用のジェルを手に取る。俺がつかうことはあまりないが、それはどちらも俺が用意したものだ。
直江殿はもう一度だけ髪を掻きあげると、左手の人差し指と中指で剃刀の柄を挟んで持ったまま、右手でその手のひらへジェルを出した。棚へ容器を戻して、直江殿はそのぷるんと透明に盛り上がるジェルをすくう。
直江殿の髭剃りを見るのは、実はこれが初めてだった。同じ時間に起きることが殆どなかったし、起きたとしても直江殿の寝起きが然程良くないために、俺が身支度を終えたころにベッドから出てくるという事が多かった。
「ふあ…」
直江殿がまた欠伸をした。揃った白い奥歯まで覗けるような大きな欠伸に、俺は思わず頬を緩めてしまう。直江殿のこんな無防備な姿を見ることが出来るなんて吉日だと思った。
直江殿は眠たげな目のまま、指に取ったジェルを顎や口のまわりに乗せていく。指の腹でまんべんなく伸ばす手つきは慣れているのにどこか適当で、また俺の微笑みを誘う。
伸ばし終えると、直江殿はそのまま右手に剃刀を持ち替えることなく左手で剃り始めた。右利きのはずだが、と少し不思議な気持ちで眺めていると、時おり剃刀の通ったあとを右手で撫でていた。剃り残しが無いか確かめるためには、右手が空いていたほうが直江殿には都合が良いらしい。
つるりと剃られていく様子を見ながら、俺は直江殿の髭の肌触りを思い出していた。実は先程、直江殿がまだ眠っている最中にそっと顎へ頬をすり寄せていたのだ。ちくちくと肌を擽る感覚が気持ち良くて、毎朝どうしてもそれをせずにはいられない。
「…よし…、」
直江殿は右の手のひらで剃り残しがないか丁寧に確認すると、ジェルのついていない左手で水を出し、剃刀を洗ってからそのまま顔を洗っていた。律儀に左手を使って取っ手を汚さないようにしていたのに、襟や前髪が濡れたりするのはあまり気にならないらしい。俺はじっくりと直江殿を眺めながら、歯ブラシをくわえたままコップを端に置き、棚から新しいタオルをとる。顔を洗い終えた直江殿に広げて差し出すと、濡れた顔で幽かに微笑んで、ありがとうございますと礼を言われた。確かに直江殿だというのに、寝起きのために目は眠たげで声も掠れ、前髪もおりているせいで、別人のようにも見えた。
今度は直江殿が、顔をタオルで拭きながら一歩端へ避けた。俺は小さく頭を下げて洗面台の正面へ進み、口のなかに溜まった泡を吐き出してからコップに汲んだ水で口をすすぐ。
三度ほど繰り返して歯ブラシとコップを洗い、定位置に戻してからふと鏡を見ると、直江殿がまじまじと俺を眺めていた。珍しいものを見るような目をしている。
さきほどの俺と同じように観察しているのだろうと思い当たったため、どうかなさいましたかと聞いたりはしなかった。視線が注がれているのを感じながら、洗顔まで終える。
直江殿はやはり何も言わずに、タオルの濡れていない部分を俺に向けて差し出してくれた。ありがとうございますと言ってタオルを受け取り、顔の水気をしっかりと拭う。
「奥村殿」
呼ばれて顔を上げると、すぐ傍に直江殿が来ていた。目は相変わらず眠たげだったが、真っ直ぐに俺を見ている。
「はい、」
何ですかと言葉を続ける予定だったが、直江殿が指先で俺の顎や頬の下あたりを撫でて来たため、思わず口をつぐむ。
直江殿は目と手で俺の肌を探りながら、ほうっと感心したように呟く。
「本当に、生えないんですね…すべすべしている」
その呟きの間に、ゆっくりと、直江殿と俺の顔の距離が狭くなっていく。口付けをされるのかと思ったが、口が開いて舌が伸びたため、別の事をしようとしていると気付いた。
「ん……」
指の代わりに、舌が顎や口のまわりを撫で始めた。舌なら俺の髭を見つけられるかもしれない、と直江殿は考えたのだろう。しかし成果は上がらないのか、幾度も幾度も舌は俺の顎や頬を往復する。目的が違うのだから仕方がないとは解っているが、唇に触れてくれない舌がもどかしくて、足が震えた。朝だというのにどうしても深い口付けがしたくなって、俺は自分から直江殿にしがみつき、顎を這っていた舌に噛み付く。直江殿の目が一瞬だけ広がったが、すぐに腰と首が支えられ、俺と同じ目的を持ってくれた舌が柔らかく動き始める。
手からタオルが滑り落ちたが、俺も直江殿も気にとめなかった。洗面所の磨りガラスに濾される朝日はどこまでも爽やかで清々しい。その清々しい日差しのなかで、こんな夜のような口付けをするのはひどく新鮮で、そして酷く悪い事をしているかのような気分になった。
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もっと悪いことして、いいのよ?
の流れで兼助現パロ。
伴さんから、また絵に短編を付けてもらいましたぁん(●^o^●)
ありがとう、ありがとう。そして、ありがとう!!
お好きな方は続きクリック。
「おはようございます…」
洗面台で歯を磨いていると、背後から声が掛けられた。顔をあげて鏡を見れば、額におりた髪の毛を煩わしげに掻き上げながら欠伸をする直江殿が映っていた。まばらに短く生えた髭やボタンの止まっていないシャツ、眠たげに細い目など無防備さの塊のようなその姿に、俺は朝から愛しさが募り、暖かな気持ちになる。
「おはようございます」
鏡に映る直江殿ではなく、しっかりと後ろを振り向いて挨拶を返すと、俺は一歩端に避ける。直江殿が小さく頭を下げて、洗面台の真正面に立ち、剃刀と髭剃り用のジェルを手に取る。俺がつかうことはあまりないが、それはどちらも俺が用意したものだ。
直江殿はもう一度だけ髪を掻きあげると、左手の人差し指と中指で剃刀の柄を挟んで持ったまま、右手でその手のひらへジェルを出した。棚へ容器を戻して、直江殿はそのぷるんと透明に盛り上がるジェルをすくう。
直江殿の髭剃りを見るのは、実はこれが初めてだった。同じ時間に起きることが殆どなかったし、起きたとしても直江殿の寝起きが然程良くないために、俺が身支度を終えたころにベッドから出てくるという事が多かった。
「ふあ…」
直江殿がまた欠伸をした。揃った白い奥歯まで覗けるような大きな欠伸に、俺は思わず頬を緩めてしまう。直江殿のこんな無防備な姿を見ることが出来るなんて吉日だと思った。
直江殿は眠たげな目のまま、指に取ったジェルを顎や口のまわりに乗せていく。指の腹でまんべんなく伸ばす手つきは慣れているのにどこか適当で、また俺の微笑みを誘う。
伸ばし終えると、直江殿はそのまま右手に剃刀を持ち替えることなく左手で剃り始めた。右利きのはずだが、と少し不思議な気持ちで眺めていると、時おり剃刀の通ったあとを右手で撫でていた。剃り残しが無いか確かめるためには、右手が空いていたほうが直江殿には都合が良いらしい。
つるりと剃られていく様子を見ながら、俺は直江殿の髭の肌触りを思い出していた。実は先程、直江殿がまだ眠っている最中にそっと顎へ頬をすり寄せていたのだ。ちくちくと肌を擽る感覚が気持ち良くて、毎朝どうしてもそれをせずにはいられない。
「…よし…、」
直江殿は右の手のひらで剃り残しがないか丁寧に確認すると、ジェルのついていない左手で水を出し、剃刀を洗ってからそのまま顔を洗っていた。律儀に左手を使って取っ手を汚さないようにしていたのに、襟や前髪が濡れたりするのはあまり気にならないらしい。俺はじっくりと直江殿を眺めながら、歯ブラシをくわえたままコップを端に置き、棚から新しいタオルをとる。顔を洗い終えた直江殿に広げて差し出すと、濡れた顔で幽かに微笑んで、ありがとうございますと礼を言われた。確かに直江殿だというのに、寝起きのために目は眠たげで声も掠れ、前髪もおりているせいで、別人のようにも見えた。
今度は直江殿が、顔をタオルで拭きながら一歩端へ避けた。俺は小さく頭を下げて洗面台の正面へ進み、口のなかに溜まった泡を吐き出してからコップに汲んだ水で口をすすぐ。
三度ほど繰り返して歯ブラシとコップを洗い、定位置に戻してからふと鏡を見ると、直江殿がまじまじと俺を眺めていた。珍しいものを見るような目をしている。
さきほどの俺と同じように観察しているのだろうと思い当たったため、どうかなさいましたかと聞いたりはしなかった。視線が注がれているのを感じながら、洗顔まで終える。
直江殿はやはり何も言わずに、タオルの濡れていない部分を俺に向けて差し出してくれた。ありがとうございますと言ってタオルを受け取り、顔の水気をしっかりと拭う。
「奥村殿」
呼ばれて顔を上げると、すぐ傍に直江殿が来ていた。目は相変わらず眠たげだったが、真っ直ぐに俺を見ている。
「はい、」
何ですかと言葉を続ける予定だったが、直江殿が指先で俺の顎や頬の下あたりを撫でて来たため、思わず口をつぐむ。
直江殿は目と手で俺の肌を探りながら、ほうっと感心したように呟く。
「本当に、生えないんですね…すべすべしている」
その呟きの間に、ゆっくりと、直江殿と俺の顔の距離が狭くなっていく。口付けをされるのかと思ったが、口が開いて舌が伸びたため、別の事をしようとしていると気付いた。
「ん……」
指の代わりに、舌が顎や口のまわりを撫で始めた。舌なら俺の髭を見つけられるかもしれない、と直江殿は考えたのだろう。しかし成果は上がらないのか、幾度も幾度も舌は俺の顎や頬を往復する。目的が違うのだから仕方がないとは解っているが、唇に触れてくれない舌がもどかしくて、足が震えた。朝だというのにどうしても深い口付けがしたくなって、俺は自分から直江殿にしがみつき、顎を這っていた舌に噛み付く。直江殿の目が一瞬だけ広がったが、すぐに腰と首が支えられ、俺と同じ目的を持ってくれた舌が柔らかく動き始める。
手からタオルが滑り落ちたが、俺も直江殿も気にとめなかった。洗面所の磨りガラスに濾される朝日はどこまでも爽やかで清々しい。その清々しい日差しのなかで、こんな夜のような口付けをするのはひどく新鮮で、そして酷く悪い事をしているかのような気分になった。
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美少女と筋肉が大好きです。
リンクは女性向け創作・二次創作サイト様に限りフリーです。
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